まつだい農舞台フィールドミュージアムの中腹の林を使って、この夏企画展が開催されました。
狩野哲郎さんの「あいまいな地図、明確なテリトリー」です。


この場所は、かつては田んぼでしたが、1970年代には植林されて杉林となりました。杉材として活用することを念頭に植えられたのですが、杉が育つ頃には外国材が入り販売のめどが立たなくなってしまったため、今も林を形成しています。この林の杉の特に傾斜に生えているものを見ていただくと、雪国特有の「根曲がり杉」を観察できますので、ご来場の際には展示とあわせてご覧ください。
さて、作品展示会場になったのは、かつては田んぼとしてかなり人間側のテリトリーに入っており、現在は林という自然側のテリトリーに入りつつある場所です。この場所は以前から農舞台が少し手をいれて展示やイベントに使ったりしてきた場所で、今回狩野さんはインスタレーションによってその人の気配と自然との複雑な関係性を浮かびあがらせていました。

夏にはもっと草まみれになってしまうかと予想していましたが、木陰になっているせいか予想より展示が同じような状態で公開できました。
秋になり作品は撤去を予定していましたが、次年度も展示を展開する方法がないか考え、仮設的な作品を囲ってみることにしました。「囲い」「雪囲い」とは雪国で雪から建物やその他のさまざまなものを守るために降雪前に行われる作業のことです。家の窓や、庭木などを囲いますし、農舞台フィールドミュージアムでは恒久設置作品も囲いか取り外しを行います。


そもそも越冬する予定ではなかったものを、越後妻有の雪にさらして越冬させるのは至難の業です。春になってみたら崩れている可能性もありますが、それも含めた実験として地元の方に指導いただき、丸いガラステーブルは円錐型に柱をたてて構造としたまるで家のような囲いがつけられました。そのほかにも実験的に隙間が空いている囲いや、木の皮で保護した囲い、高い位置にある作品についてはそのままに残したりして降雪を待つことにしました。雪による圧迫、高い枝からの落雪の衝撃、雪渋、春のスギ花粉など障害は多く考えられます。春、GWころに越冬した作品がどのようになっているかがわかるでしょう。


またその様子もご報告てきたらと思います。
2月には積雪が最も多い中、作品の一部公開と作品の様子を見に行くイベントを実施予定です。雪とアートの関係性にご興味のある方はぜひご参加ください。
(2025/11/24)