
<目次>
1.5月:春がやってきました
2.越後まつだい里山食堂:山菜シーズン到来
3. 「山菜まつり」イベントレポート
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1.5月:春がやってきました
春かと思いきや夏日が続く日があったり、冬のように寒い日があったりと、なかなか安定しない気候の松代です。
皆さん写真を見てびっくりしましたよね?笑
こちらは先月の9日頃の写真で5月現在はさすがに雪も少なくなってきました。現在の農舞台はこんな感じです。
ようやく雪が溶けました。
桜も散りはじめ、ようやく新緑の季節を感じさせる風景へと変わってきています。
日陰になる場所にはまだ雪の塊が。
続いて星峠の様子。先月の星峠はこんなに雪が残っていました。
5月8日の星峠はこちら。
だいぶ田んぼが見えてきましたね!しかしながらまだ農家さん達はあまり動きだしていません。
昨年に比べて1~2週間ほど作業が遅れています。昨年は雪が少なく今年は多く、ギャップが凄まじいです。笑
ここからはまつだい棚田バンクで行っている作業をお伝えしていきます。
先月、水に浸けて浸種を行っていた種籾は、催芽という30℃のお湯に浸けて芽を出す作業を行い、播種(はしゅ)と呼ばれる種撒き作業を行いました。
まずは一般的には「床土(とこつち)」、新潟では「しきベト」と呼ばれる土を箱に詰めていきます。
この次に、
「ハトムネ」と呼ばれる状態になった種籾を床土の上に撒いて行きます。
最後に「覆土(ふくど)」、新潟では「かけベト」とよばれる土をかけていきます。
完成した物がこちら、

種籾が土にサンドイッチされた状態で綺麗に敷き詰められています。
こちらの加温機に30℃で約2日間芽出しを行っていきます。加温機の中で芽が伸びすぎないように注意しながら苗出しの時期を待ちます。
ようやく芽が出てきた様子がこちら、
稲の赤ちゃんです。この白いもやしのような芽が、苗代に出ていきます。
まだ日光や寒さに弱いので「ラブシート」と呼ばれるなんともラブリーなシートをかけてあげます。松代は夜間冷えるため、こちらのシートの枚数を増やしたり、日中の暑い時は枚数を減らしたり少し工夫が必要です。
こちらがシートをかけた状態。天気が良ければ2日ほどで、

芽から緑色の葉っぱが出てきます。ただ、まだこの状態では安心はできません。もう少し成長するまでは、外気温や霜などに注意しながら苗たちを見守ります。
例年だと、酒米やもち米は5月10日頃から植え始めますが、雪解けの遅い今年は20日頃からの田植えとなりそうです。ただ昨年のように水が無くて代掻きができないわけではないので、作業はスムーズに進んで行くと思われます。
トラクターたちも出番はまだかと待ち望んでいるはず、、、、 笑
早く田んぼに出たくてそわそわしていますが、作業中にトラブルのないように今のうちにメンテをしてあげます。
先日TBSの朝の番組である「THE TIME,」に出演させていただきました。2年ぶりにアナウンサーの安住さんと一緒にお米を育てていきます。テレビの向こう側で応援していただければ幸いです。
まだまだ春も始まったばかりです。5月後半の田植えに向けてスタッフ一同頑張っていきます。6月に行われる田植えイベントでまたお会いしましょう♪
石塚
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2.越後まつだい里山食堂:山菜シーズン到来
豪雪だった冬を超え、妻有にもようやく春がやってきました。棚田の雪解けも一気に進んでおり、里山食堂の窓から見える景色も日々変化しています。雪の合間からは蕗の薹の姿もちらほらと。
今年の里山食堂は「山菜ビュッフェ」と題し、4/26~5/19まで集中して山菜を楽しんでいただける期間を設けております。
4月の中旬には山菜が間に合わないかと、ひやひやしておりましたが、気温もぐっとあがり一気に山菜も出始めました。毎年山菜は地元の方々から採ってきていただきます。
里山食堂の影の立役者! 邦夫さん
みなさん長年の経験で雪解け具合をみて山に入ってくださり、天然のものを里山食堂に届けてくださります。
「山菜」とひとくくりにしがちですが、それぞれ生息している場所は異なり、春の初めに採れる「蕗の薹」は雪の下から、「あずき菜」や「ののば」は日当たりの良い山の斜面に、こごみは少し水気のある場所に、と様々です。地元の方は何を採りに行くかでどのあたりの山に入るかを決めるそう。やみくもに入ったりはしないのです。
しかもその採れた山菜を担いで山を下りたり、逆にのぼったりと、非常にハードなことをこなして食堂に山菜を届けてくださります。感謝 涙
採ってきていただいた山菜は本当に有難く、旬のものは待ったなし!新鮮なうちに処理をするよう心がけています。厨房では営業の傍ら、山のような山菜処理も同時並行。2025年はこごみの当たり年!?各所から届いたこごみの山と格闘する日々です。
天ぷら名人 ノブ子さん
昨今は高齢化で山菜を採る人も減る傾向にあります。ある程度人が山に入って整備をしていないと山もどんどん荒れていくそうです。今まで採れていた山菜も別の植物に負けて採れなくなってきているとのこと。日々感謝して調理しております。
ゴールデンウイークは山菜ビュッフェを楽しむ方で大変賑わいました。毎年リピートして来てくださるお客様も多く、山菜を食べて季節を感じて頂けているのかなと思いうれしい限りです。
5/19までは山菜ビュッフェ、その後も種類は減りますが、夏前まで採れる山菜を提供する予定です。
これから窓からの景色も新緑の美しい季節になっていきます。皆様のお越しをスタッフ一同お待ちしております。
越後まつだい里山食堂
10:00~17:00(LO16:30) ランチ11:00~14:00
4/26~5/19で山菜ビュッフェ開催!5/22~も毎日ビュッフェ営業!
TEL 025-594-7181 火水休(祝日の場合は営業)
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3. 「山菜まつり」イベントレポート
4月26日(土)〜5月6日(火・祝)のゴールデンウィーク期間中、まつだい「農舞台」フィールドミュージアムでは、里山の特性を活かした「山菜まつり」を開催しました!
第1弾:「山菜と草花、生き物を探して春の里山散策」
【開催日・参加人数】
★4月26日(土):7名
★4月29日(火祝):12名
★5月4日(日祝):23名
まつだい「農舞台」フィールドミュージアムの里山を散策しながら、道中で山菜の収穫を楽しみました。地元ガイドさんはさすがの健脚で急斜面をものともせず、木の芽など手の届きにくい場所に生えている山菜をたくさん採り、参加者の皆さんに分けてくださいました。
もちろん、足元にもフキノトウやコゴミなど、お馴染みの山菜がたくさんあり、皆さん袋いっぱいに収穫していました!
道中では、「ノカンゾウ」と呼ばれる山菜についても説明がありました。これは「スイセン」の芽とよく似ており(※スイセンには毒があります)、見分けるのが難しいため、参加者の皆さんは真剣な表情でノカンゾウを採っていました。「葉が広がっているのがノカンゾウ、広がらないのがスイセン」と教えていただき、比べながら慎重に収穫を進めていました。皆さんも収穫する際は、よく観察してから採るようにしましょう!
たくさん歩いて山菜を収穫したあとは、お楽しみの「天ぷらTIME」!
山菜は成長が早く、数日で収穫できなくなってしまうものもあります。そこで、事前に食べごろの山菜を地元ガイドさんが丁寧に収穫してくださり、当日は種類豊富な山菜を皆さんに楽しんでいただくことができました。
天ぷらだけでなく、アサツキやウドは生で味噌をつけて味わい、「山菜ならではの苦みがクセになる!」と好評でした。地元ガイドさんは「お酒のつまみに最高!」と太鼓判を押していました(笑)
山菜がメインではありましたが、道中には雪が残る場所を歩いたり、満開の桜を眺めたり、クロサンショウウオの卵や成体を見つけたりと、ここならではの自然の豊かさを感じられる散策となりました。スタッフも一緒に楽しませていただきました!
第2弾:「山菜料理教室 春の味覚・ふきのとう味噌づくり」
【開催日・参加人数】
★4月27日(日):10名
★5月3日(土祝):6名
山菜の王様「ふきのとう」を使った味噌の作り方を、地元のお母さん方から教わりました。
まずは綺麗に洗ったふきのとうの外側の皮を剥き、大きくなった花をもぎ取ります。
その後は細かく刻む…とにかく刻みます(笑)
(このあたりから、ふきのとうの香りが資料館に広がりました😋)
次に、調味料と一緒にフライパンで炒めます。ふきのとうの良い香りにつられて、資料館に立ち寄るお客様も(笑)
最後に味噌と混ぜれば、ふきのとう味噌の完成です♪
参加者の皆さんは、地元のお母さん方を自然と「先生!」と呼ぶようになり、終始賑やかで和やかな雰囲気でした。忙しそうなお母さん方の表情も、どこか誇らしげでした。
出来上がった味噌は、炭火で焼いたおもちにつけて試食。相性抜群で、用意したおもちはあっという間になくなってしまいました(笑)
「これで家でもふきのとう味噌が作れる!」と、参加者の皆さんは満足げに帰っていかれました。ご家族での参加も多く、料理だけでなく、山菜のことや昔の暮らし(資料館の民具)などにも興味を持ち、質問される姿が印象的でした。
まとめ
今回のGWイベントには、予想を上回る多くのお客様にご参加いただきました。
「また来年も参加したい」「このような企画を増やしてほしい」といった嬉しいお声も多くいただきました!
春は里山の魅力が際立ち、山菜などの植物が主役となる季節です。
しかし、里山は春だけでなく、青空と緑の美しいコントラストが映える夏、生き物で賑わうため池、稲穂が実る黄金の秋、そして雪に包まれた幻想的な冬と、四季折々の表情があります。
まつだい「農舞台」フィールドミュージアムでは、そんな風景の移ろいを五感で感じていただけます。
また、ここで暮らす人々の生活様式も大きな魅力です。農業や雪国ならではの暮らしを支える力強さ、そして地域の人々が協力し合って生きる姿勢は、訪れた人の心をつかんで離しません。
今後も「越後妻有に遊びに行きたい」「癒されたい」「地元の人に会いたい」と思っていただけるような、気軽で楽しいイベントを企画してまいります。どうぞ今後のお知らせをお楽しみに!
それでは、また「農舞台」でお会いしましょう!
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今月もご覧いただきありがとうございました。
(2025/05/10 まつだい棚田バンク事務局)