11月の新潟日報杯が無事終了し、2023年シーズンの公式戦も無事終了いたしました。大きな怪我も、離脱者もなくシーズンを終えることは、勝敗を超えてうれしいものです。

北信越リーグ2部を無敗優勝して迎えた今シーズン、攻守において再現性のある、意図的な(偶然ではなく)サッカーを構築すること。具体的には攻撃においては1トップ2シャドーをベースに相手のDF-MF間をコントロールしながら試合を進めること。守備においては相手GKも含めてプレスをかけ、より高い位置でボールを奪うこと。また、サッカーはイレギュラーが多発するので、瞬時の判断と役割の変化を柔軟に行うことを目指してきました。

結果は10勝3敗1分けの3位。上位2チームとの差は歴然、力不足を痛感する場面が多くみられましたが、目標であった前期3位をクリアし、クラブ初の皇后杯北信越予選に出場することができました。後期に掲げた目標は、前期5勝した5クラブに全勝することでしたが、これも見事クリアしてくれました。監督としてはどこかで勝ち点を取りこぼしたり、足元をすくわれることもサッカーではよくあることですので、そんなことも想定はしていましたが、自分の見る目のなさを反省しています。

新潟日報杯では地域の女子中学生(FC.Artista U15)もチームに帯同し、すべての選手を起用しながら準優勝することができました。決勝戦のアルビレックス新潟レディースU18との試合では、終了間際に失点したものの、今シーズンベストといえる内容のパフォーマンスを見せてくれました。夏以降には3バックにも挑戦し、選手たちは苦手意識満載でしたが、裏返せばそれもノビシロということで我慢しながら闘わせました。

こういった経験は来シーズンに向けた貴重な財産になると信じています。試合ごとに映像を使って自チーム分析を繰り返し、自分たちの現在地と目指すべき方向を共有する時間は、自分たちのプレーモデルをより明確にするためにとても大切な時間でしたし、確実に階段を登ってくれたと確信しています。また、10月にはビッグスワンで行われた日本代表対カナダ代表の国際親善試合を視察に行き、多くの刺激を持ち帰ってきました。

欲を言えばキリがないものですが、FC越後妻有らしく、できることを堅実にコツコツと積み上げたシーズンだったと思いますし、選手たちが「サッカーとはうまくいかないことが大前提」であることを理解し、創意工夫しながらサッカーを楽しむ姿に寄り添えることは指導者として贅沢な時間でもありました。

シーズンを思い返せば、そこには常に選手たちを温かく見守ってくださるサポーターやご家族の皆さまがいました。素晴らしい環境を用意してくださる施設の方々がいました。我々の活動をがっちりと支えてくれるNPO法人越後妻有里山協働機構のみんながいました。私たちのクラブはそういった皆さまに支えられ活動できていることを心の栄養として、来年を素晴らしいシーズンにすべくこの冬を過ごしたいと思います(選手のみんな、食べ過ぎ注意ですよ)。

グリーンシーズンに多くの方々が来圏される越後妻有ですが、冬が一番過酷ですが美しい季節です。この地域の一番の特徴でもある冬を体験しにいらしてはいかがでしょうか?

皆さまにまたお会いできる日を楽しみにしております。よいお年をお迎えください。

FC越後妻有  元井 淳