まつだいは、今年も積雪1mを超えました。

こんな豪雪のなかで、地域の皆さんはどんなふうに過ごしているのか?

棚田バンク農作業イベントでもお世話になる皆さん他、4名の松代住民の方々に冬大変なことや、冬自慢したいことを聞いてきました。

《石口さんの冬》

冬に一番面倒なのが除雪です。

ずっとまつだいに暮らす石口さんですら、どこへ出かけるにもまず車の除雪というのは面倒極まり無いようです。

「でも昔に比べたら道具や恰好が変わってきて、楽になってきた」ということで、まつだい郷土資料館から昔の民具をもってきて着てみてくれました。

現在のスノーダンプも使うにはコツがいりますが、この「コシキ」はもっと難しそうです。

石口さんはうまく雪を切って、平らな面に乗せて、放り投げます。さすが。

また、冬の楽しみとしては「猟」をあげてくれました。

冬は猟が解禁され、農業の害獣を駆除するため十日町猟友会の皆さんが活動します。

ウサギやタヌキ、猪などを仕留めます。

おにぎりを持って1日中雪山の中を歩いて、獲れたら感激、獲れなければ涙と汗だけで終わってしまう日もあるけど、そのドキドキ感を味わっているそうです。

《達夫さんの冬》

達夫さんの住む室野集落では例年7回くらい自宅の屋根の雪下ろしをするそうです。

屋根から下ろした雪が家の周りにだんだん積み重なって、最終的には屋根に到達しそうな高さの壁ができてくると「大変だな」とは思うそうですが、それでも達夫さんは「冬は楽しいものだということを伝えたい。」といいます。

「春を待つ楽しさ、雪で遊ぶ楽しさがたくさんある!」ということなので、直接教わりたい方はぜひまつだい「農舞台」の冬季企画展「里山雪の遊園地」にお越しください。

達夫さんはじめ案山子隊(地元有志)のみなさんが、そりに乗せてくれたり、一緒にかまくらを作ってくれたり教えてくれます。

《昇二さんの冬》

昇二さんの住む滝沢集落は山の奥の方にあり、冬はその先は道がなくなる行き止まりの集落です(春~秋は林道があります)。

標高はあまり高くなく積雪自体は多くないものの、集落へ至る道が狭く、道路際の崖の斜面もきつく冬の間は道路の所々に雪崩が出ます。そのため「冬の外出にはスコップが必需品」と車にはいつもいろいろな道具が積まれています。

雪崩は大変ですが、春には早くから雪が落ちた斜面に山菜出てきます。

かたくりの花も崖に一斉に咲き誇りとても綺麗。

少し早めに来る春を皆さんにもぜひ見てもらいたいのですが、道中の雪道が少々険しいため「すごく咲くいいところ」はなかなか紹介できない、と残念がっていました。

冬の楽しみは薪ストーブであったまること。

夏のうちに割っておいた薪を少しずつ使います。

ストーブの上では銀杏をいってみたり、ソーセージを焼いてみたりゆっくり過ごします。

《公男さんの冬》

公男さんは峠集落でブルドーザーのオペレーターをしています。

雪が積もると集落の約30軒の家々のまわりを機械で除雪します。

自然落下の屋根は、屋根に上がって除雪しなくてよいのは楽ですが、落ちた雪は機械で除雪しなければならず(とても固いので)機械作業が忙しくなりました。作業は深夜3時ころから始め5~6時間かかることもあります。それでも「昔は6mくらい積もったし、除雪車も通らなくてかんじきで道を踏み固めていた。それに比べれは今は随分楽。」とのこと。

有名な星峠の棚田は冬季間は道がなくなり車では行かれなくなります。

それでも県外からたくさんの人が訪れているようで公男さんもびっくりだそうです。

こんな雪景色が見られるからでしょうか?(でもお天気の良い日を選んで、装備を整えて行ってくださいね)

ここで収穫するお米は美味しいし、空気も水もうまい。最近は一人暮らしのお年寄りが増えてしまったから、ぜひこの集落に住みたい方がいれば空き家もあるので大歓迎するよ。峠の四季を楽しんで!

(2023/1/9 まつだい棚田バンク)