現在の棚田の様子です。稲の色がこがね色に変わってきています。

例年だとこの時期はまだ緑がかっている圃場もちらほらと見かけるのですが、高温が続いた今シーズンは穂の変化も早く進んでいます。

まだまだ30℃越えの暑い日が続いておりますが、それでも9月に入り朝方は少し肌寒いと感じる日も出てきました。

農舞台近辺の圃場です。

こちらも穂の登熟が進み今月の18日頃には刈り取りが行えそうです。

やはり雨が降らなかったせいか少し粒が小さく感じますが、猛暑や干ばつにも負けずここまで育ってくれました。

一粒皮を剥いて見ましたが、しっかりとしたコシヒカリらしい飴色の粒が見れて安心しました。

今年は7月後半から1カ月近くまとまった雨が降らない年でした。加えて35℃を超える猛暑日で、全国ニュースでも田んぼの干ばつが取り上げられていました。

松代の圃場も雨水を頼りにした圃場が多く、少しでも水を供給できるようにポンプで池の水を汲み上げたり、畦を崩して上の田んぼから水を入れたりと少しでも田んぼに水を供給できるように現地スタッフも棚田を走り回っていました。

いつもは土が濡れて茶色く湿っている田んぼですが、今年は真っ白になるまで乾く田んぼも沢山ありました。

こんな過酷な夏でしたが稲の生命力の強さ!枯れないで頑張ってくれました。

根っこを深くまで張った稲は土の中にある少しの水分を吸ってこの干ばつを耐え抜いてくれました。

そして、、、

待ち望んだ雨が!!これぞめぐみの雨!

高温障害や水不足により、米粒の見た目や収量には少なからず影響は出てしまうとは思いますが、この秋も無事に皆様においしいお米をお届けすることができそうです。

高温障害対策の為に棚田バンクの田植え日は他の農家さんよりも少し遅めに設定しています。この対策が功を奏したかは本格的に稲刈りが始まるまではわかりませんが、刈り取りまで彼らの生命力を信じ、それを私達で手助けをして稲刈りを迎えたいと思います。

そんな暑い日々の中、私達が行っていた夏の作業を紹介したいと思います。

まずは前回もお話しした草刈り。

こちらの作業。実は春から秋まで、下手したら雪が降るまでずっと行っています。笑

作業のボリュームがあり、棚田の作業で一番大変な作業ではありますが、棚田の景観やお米を守る為にとっても大事な作業です。

今年リニューアルした夏のイベント「夏の里山を楽しむ一日」では、「草刈りチーム」にご参加いただいた皆様とカバコフの草刈りを行いました!

現場のビフォーアフターは達成感を感じられる気持ちのいい草刈りでした。

続いてこちら。

ご存じの方いらっしゃいますでしょうか?

上の写真の装置は「電気柵」と言われる物です。

中山間地の農業では山に住む動物達とも共存しています。しかし私達の作る作物が獣害に合ってしまうのも事実です。田んぼに入ってしまう動物は主にイノシシとカモシカです。私達の田んぼでは特にイノシシからの被害が多く発生しています。

そんな彼らが田んぼに入ってしまわないように電流が流れる柵を設置します。

イノシシはあの見た目からは想像出来ない臆病な動物です。そんな臆病な彼らは茂みから恐る恐る田んぼに進入してくるので、隠れ家となる茂みを無くす為にまずは畦の草刈りを行います。

また写真の柵の線の高さには意味があります。イノシシは厚い毛皮で体が覆われている為、電気が通っていても体で突き破ってしまいます。ただ唯一の弱点が鼻。鼻で物を確認するイノシシの弱点を狙って鼻の高さに合わせて線を張ります。「これは当たると痛い物なんだ」と認識したイノシシは電柵の中には入らなくなるのです。

しかしこの電柵も張り方を間違えると、頭のキレるイノシシが線の隙間から進入したり、「これは怖い物ではない」と慣れてしまったイノシシから体当たりで柵を壊されたりします。なので電柵の張り方にも注意が必要です。

イノシシだけではなく様々な動物と共存している棚田の農業。

これから先も彼らと上手く付き合っていく方法を考えていかなければなりません。

ここまで紹介した農作業に加えて稲刈りで使う機械・施設の準備を行い、稲刈りを迎えます。

こちらの青い機械は3条刈りのコンバイン。

こちらのオレンジ色の機械は2条刈りのコンバイン。

まつだい棚田バンクの稲刈りではこの2台の機械が活躍します。

コンバインのエンジン音が鳴り響く時期ももうそこまできています。

干ばつにより厳しいシーズンになりましたが、やっぱり一番の喜びが味わえる収穫の秋!

喜びを噛みしめて稲刈りをしていきたいと思います。

秋の稲刈りイベントは9月30日、10月1日の2日間!

皆様のご参加、心よりお待ちしております。

石塚