皆様こんにちは。世間では11月にもかかわらず25℃を超える夏日を記録する日が続き、メディアを騒がせていました。夏の気温上昇や11月の高温など異常気象という言葉を多く耳にする1年でしたが、無事に稲刈りが終わり、まつだい棚田バンクでは冬を迎える準備を行っています。

室野の棚田の様子です。

稲わらが残る田んぼの耕運を行っています。

今年のような田んぼの乾いたシーズンは地中まで大きなヒビが入っています。水がこのヒビから地中に漏れてしまう為、このまま来年の春を迎えると水が一番欲しい5月に水が溜まりづらくなってしまいます。痛んだ圃場を補修する意味で耕運と代掻きを行い、ヒビを埋めてあげます。棚田ではこちらの「補修」という意味合いが強い秋の耕運作業ですが、来年の春に植えた苗に悪影響を及ぼさないよう稲わらをすき込むという役割もあります。

来年の春をスムーズに迎えられるよう、雪が降るまではこちらの耕運と代掻き、田んぼの畦の補修など行っていきます。その他には秋お世話になったコンバインや籾摺り機、乾燥機といった機械のメンテナンスを行い冬を迎えます。

一通りの作業を終え、ひと段落した農作業ですが、今回のコラムでは今シーズンの作業の様子を写真と共に振り返っていきたいと思います。

今年の春は残雪が少なく平年よりも早い農業のシーズンインだった印象が強くあります。

振り返るとシーズンの始まりから気温が高い1年だったと気が付きます。

苗代も春になるとすぐに雪が無くなっていました。毎年重機を入れて除雪していましたが、今年はトラクタの投雪機のみの除雪作業でした。

いつも苦労する水の確保ですが、今年はコンスタントに雨が降り、星峠の棚田でも水が豊富にありました。この時の雨が夏に欲しかった、、、、(泣)

気候が安定しているシーズンは私たちが行っている「露地プール育苗」には嬉しい気候でした。苗たちも太陽の光を受けすくすく育っていました。

田植え後の苗も気温の上昇と共に茎の数を増やして青々と育っています。

この時入社したて新人の上村選手。彼女も稲たちと共にこの一年で百姓としてずいぶんと成長しました。

茎数もしっかりとれ、豊作を予感させる滑り出しのいい春でしたが7月になると一変。

県内の農家が頭を抱えた夏の干ばつ。一滴でもいいから水が田んぼに入るように田んぼを走り回りました。

気温が高いと雑草もグングン伸びます。大きくなった草が刈払い機に絡み付き、FCの選手達も苦戦している様子でした。

8月下旬になると待ち望んだ恵の雨が!

稲にも人間にも辛い夏ではありましたが、それでも棚田の風景に癒されながら厳しい夏を乗り切ることができました。

そして収穫の秋。

しっかりと穂を垂らしてくれた稲を見られた時は本当に嬉しかった!

苦労した年ほど収穫の喜びは大きいです。

高温障害を受け、お米の見た目は平年に比べあまりよくありませんでした。しかし味の方は魚沼産特有の甘味のある美味しいコシヒカリが収穫でき、「美味しいお米とれましたよ!」と今年も皆さんに報告ができ安心しています。また田んぼによっては高温被害を回避してきれいなお米を実らせた圃場もありました。

10haまで増えた棚田バンクの保全面積。稲刈りの後半戦は師父の昇二さんに手伝いにきてもらいました。3条刈りコンバインでの2台刈り!平場ではたまに目にしますが、棚田ではかなりレアな光景だと思います。

こちらは私たちの管理する中でも一番大きな40aの田んぼ。刈りごたえがありました!

稲刈りイベントでも皆さんと収穫の喜びを分かち合うことができました。

私が妻有で農業を始めて4年目の秋。今までで一番ハードなシーズンでしたが、地域の皆さん、この地に訪れて下さった皆さん、スタッフ、元気に育ってくれた稲たちのおかげでまた喜べる収穫を迎える事ができました。本当にシンプルな一言ですが「ありがとうございました。」心のこもったこの言葉と共に美味しい新米をお届けしたいと思います。

まつだい棚田バンク 担当

石塚

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