まつだい農舞台も、春風が心地よく感じられるようになってきました。
里山には山菜をはじめとする春の植物が次々と花を咲かせており、お天気の日には散策を楽しまれているお客様が増えてきました。
春の里山といえば山菜!
今回は今しか食べられない山菜について、まつだい農舞台内にある里山食堂に旬の野菜を卸してくださっている邦夫さんと、調理員ののぶ子さんに山菜の取り方や食べ方についてインタビューをしてきました!
邦夫さんの話
気温が低い朝7時頃から山へ行き、身のしまった山菜を収穫しています。
山菜は自然の山に自生していますが、ウドなどほとんどの山菜は畑でも育てることができ、邦夫さんもまずは山で山菜を取り、山を取りつくした後は畑で収穫しているそうです。
山菜も育てられるとはビックリしました!!
また、取り方については、蕨やゼンマイなどの柔らかい山菜は基本手で収穫し、ウドなどの地中に埋まっている山菜に関しては、専用のナイフを使用して掘り起こして収穫しています。急斜面に生えている山菜も多いため、落ちないように気を付けなければなりません。
そして、山菜にも群れがあるそうで、蕗の薹の近くにはフキがあるなどの法則性があり、邦夫さんは山を見ただけで、だいたいどこに何が生えているかの目星が付いてしまいます。さすがですね!すごい!
次に、珍しい山菜などについて聞いてみました。
地域の気候によって珍しいものは違うのですが、まつだいや松之山ではよく食べるアズキナやノノバのような山菜は、十日町の人たちはあまり食べないのではないかと。平場が多い地域ではそれらの山菜は硬くなってしまい灰汁が強くなるので、食べないのではないかとのことでした。市内でも山菜の環境は違うのですね。
ちなみに、邦夫さんの好きな山菜や食べ方を聞いてみたところ、毎年10~15種類の山菜を収穫しては食べているので、少し山菜には飽きた様子で「ないな~」と苦笑い。(笑)
ですが、まつだい地域ではウドの塩漬けなどが主流な食べ方で、塩漬けにすると保存食にも使えて長期間山菜を楽しめるそうです!
さて、これから食べごろの山菜を聞いたところ、ウド・ワラビ・ミズ(ウワバミソウ)だそうです。標高が高くなればなるほど、気温が低い為、山菜が食べられる時期が長いそうです。
平場と標高が高いところでは、旬に1か月の差があるだとか…。
なので、山菜好きの方はぜひ、松代さらには松之山などに行ってみると山菜が長く楽しめると思います!
最後に、山菜の採れる量が年々減っている事を教えてくださいました。やはり、管理されなくなった山が荒れている事が原因でした。里山の自然環境(生物や植物)を守る為には、人が適切に管理することが必要なのです。棚田バンクの取り組みを続けるという事は、里山を守り、山菜を守る事にも繋がります。私たちと一緒にこれからも棚田バンクを通して、里山を守っていきましょう!
次に、里山食堂ののぶ子さんのお話です。
のぶ子さんのお話し
様々な山菜のオススメの食べ方について里山食堂調理員ののぶ子さんにお聞きしました!
『うど』
松代での定番は油炒め・胡麻和え・きんぴらの3つ。
うどの葉は天ぷらにするのがおすすめです。
『わらび』
保存食にピッタリな食材で、お正月にも食べられます。
収穫したワラビは天日干しをして、アクを抜きます。
調理の際は硬いですので、必ず水で戻してください!
すぐ食べる場合は水や灰でアク抜きをします。
お酢と花鰹でおひたしにするのも、からし醬油で調理する家庭も多いです。
『こしあぶら』天ぷら、おひたし、刻んでまぜご飯にするのも美味しいです。
『鳥あししょうま』白い花を咲かせます。
みそ汁の具に入れる他、油炒めにするのもおすすめです。
『山椒のめ』『みつばあけびのめ』この地域では、2つとも木の芽といいます。
茹でて、おひたしや、マヨネーズ、卵黄と混ぜてもおいしいです。
あく抜きが必要ないので、食べやすい山菜になっております。
『クレソン』
湧水のような、冷たい水で育ちます。松代では田んぼの周りで自然栽培しているようです。
『たらの芽』
トゲが多い木の上で育ちます。収穫が難しいため、「山菜の王様」とよばれています。
『ぜんまい』
生では食べることができず、茹でてから乾燥させます。保存食にもでき、お雑煮、からし和え、油炒めと色々な調理方法があります。
『ふきのとう』天ぷらやフキノトウ味噌にします。
フキノトウ味噌は、地元で大人気!おにぎりやおかず味噌として食卓に並びます。
のぶこさんの好きな料理は、ウドのきんぴらです。
きんぴらは作り置きができるため、いつでも食べられるように多めに作るそうです。
築地にも40-50年前から出荷していて、松代で購入するより3倍も値段が高いそうです。
出荷できない状態のものは、加工し販売しています。
いかがでしたでしょうか?
山菜の話は奥が深い。多種多様で一度ではわからないので、少しずつ食べたり獲ったりして理解していこうと思います。
(2023/5/9)