まだ7月上旬ですが空の様子や気温も真夏を感じさせます。

例年だとこの時期は20度後半の妻有も今年は最高で36度を記録する日もありました。

そんな暑い日が続いていますが5月、6月と田植えをした「苗」は7月を迎え「稲」と呼べる立派な姿へと成長しています。

こちらは室野の棚田です。

木々の緑に加え稲の葉色が濃くなっているのが分かります。

今後この葉の色の濃さ、稲の背丈を見ながら水の調節や穂肥の散布を行っていきます。

田植えが無事に終わり、稲と田んぼの管理作業が始まっております。

棚田の農作業の中でビッグイベントと言えるのがこちらの法面の草刈り。

星峠の道普請に参加した時の様子です。

畦畔の草刈りはとても重要な作業です。

お米に黒い斑点をつけてしまう「カメムシ」。草を刈ることによってこのカメムシが圃場に入ってくるのを防ぐ効果があります。

また雑草は日光を妨げてしまったり、田んぼの風通しを悪くしてしまいます。

これらを妨げることによって生育に影響が出たり、稲がいもち病や紋枯病などの病気になってしまう場合もあります。

草刈りは稲へのリスクを回避するだけではなく、景観の維持という大きな役割があります。

そして地域でこのように農地や土地を維持する活動は地域でのコミュニケーションをとる大事な場の役割でもあるのです。

初めて道普請に参加した上村選手。この日は刈り払い機に触って2日目でしたがベテラン感をかもし出していました。笑 カメラマンも構図が絶妙ですね。photo by山下選手 

最近棚田バンクスタッフが必死になって行っているのがこちら。

田んぼ遊び!

もう楽しくて楽しくて。

というのは冗談で「溝切り」という作業を行っております。乗用の溝切り機で作業している様子です。この機械、その名も「田面ライダー」。農業の資材や農機具は「こまきちゃん」「トドメ」「さなえ」などこの手の名前が非常に多いです。笑

米作りが盛んな新潟でもこの作業をしていると「なーに田んぼん中で遊んでんだ?」と

農家でない方から質問されますがとても重要な作業です。

この溝切りは田んぼの排水を効率よく行えるように田んぼの中に水路を作ります。

こちらは歩きながら溝切りを行う手押しタイプの機械。

今の時期は「中干し」という時期にあたります。この中干しは稲の生育を調節する為、田んぼに溜まったガスを放出する為に水を排水します。

また秋にコンバインがスムーズに作業ができるように田んぼを乾かし地盤を固めなくてはなりません。

山水が差し込む棚田では溝切りをしっかりと行っていないといつまでも水が溜まり続け、最悪の場合秋にコンバインが入れなくなってしまいます。そして水が溜まり続けた圃場は稲の倒伏にも繋がります。

しっかりと今の時期に作業しておくことでこれからの管理が効率的に行える大事な作業です。

昨年のような雨が続く夏は、この作業をしていても泣かされるシーズンでした。

スタッフも木陰で水分をこまめに取りながら作業を行っております。

棚田での作業、休憩中に風が吹くと本当に気持ちがいいです。風と景色に癒されながら夏の作業頑張っていきたいと思います。

それでは皆さま、草刈りイベントでお会いしましょう!

(2023/7/7まつだい棚田バンク)